エネルギー動向 2025年6月版|第1章 第3節「一次エネルギーの動向(国内)」(原子力) ≡ 総合目次 🔗 公式 ↗

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国内エネルギー動向 | 第1章 第3節

一次エネルギーの動向 ― 原子力

原子力発電の現状・核燃料サイクル・廃止措置を6枚のグラフ・図で整理。3.11後の停止と再稼働・利用率の推移が入試最頻出テーマ。

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出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」第1章第3節(クリックで公式ページ)を基に作成

この節で何が言えるか(3行サマリー)

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図13-2-21

世界の原子力発電設備容量(2024年1月現在)

図13-2-21 世界の原子力発電設備容量(2024年1月現在)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 日本は世界第4位の原子力発電設備容量(米国・フランス・中国に次ぐ)。
  • 中国は近年急速に設備を拡充し、建設中も世界最大クラス。
  • 欧州はフランス(原発依存度約70%)が突出し、ドイツは2023年に完全廃止。

🔍 背景・原因

  • 日本は1970年代以降、オイルショックへの対応として原子力を積極導入してきた。
  • 3.11後の停止でも設備容量(定格)自体は変わらず、世界4位を維持。
  • 中国は2000年代以降に急速に新設し急浮上。

💡 意味・示唆

  • 日本は設備容量は大きいが稼働率が低い(世界比較)という特異な状況。
  • 脱炭素・エネルギー安全保障の観点から原発再稼働・新設議論が継続中。

📝 出題アイデア

  • 読取2024年1月現在、世界の原子力発電設備容量で日本は何位か。上位3か国も答えよ。
  • 比較フランスとドイツの原子力政策の違いと、その背景を述べよ。
  • 記述中国が近年急速に原子力設備を拡充している理由を説明せよ。
  • 読取:第4位。1位米国、2位フランス、3位中国。
  • 比較:フランスは電力需要の約70%を原子力で賄い、低炭素・低コスト電力を維持。ドイツは福島事故後に脱原発を加速し2023年に全廃。同国の電力コスト上昇とCO2排出増が課題となった。
  • 記述:中国は急増する電力需要に応えるため、CO2排出の少ない電源として原子力を国家戦略に位置づけ、国内メーカーを活用して大量建設を進めている。
図13-2-22

日本の原子力発電設備利用率の推移

図13-2-22 日本の原子力発電設備利用率の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2010年度:設備利用率68.3%(3.11直前の高水準)。
  • 2011年以降:原発が次々停止し、2014年度は0%(全基停止)。
  • 2015年以降:段階的再稼働で回復し、2023年度は29.4%。

🔍 背景・原因

  • 東日本大震災(2011年3月)と福島第一原発事故を受け、安全審査のため全基停止。
  • 2013年施行の新規制基準をクリアした炉から順次再稼働。
  • 再稼働は地元同意・訴訟・追加安全対策工事等で遅れているケースも多い。

💡 意味・示唆

  • 設備利用率の低下がLNG輸入急増・電気料金上昇(エネルギーコスト増)の主因。
  • 再稼働が進むほどCO2削減・輸入エネルギー費削減・自給率向上に寄与する。

📝 出題アイデア

  • 読取日本の原子力設備利用率が0%となった年度と、2023年度の値を答えよ。
  • 記述2011年以降に利用率が急落した理由と、その後の回復が遅れた理由を述べよ。
  • 小論原子力発電の再稼働が日本のエネルギー政策に与える影響を多角的に論ぜよ。
  • 読取:2014年度が0%。2023年度は29.4%。
  • 記述:急落理由:福島第一原発事故後、安全への懸念から全原発が順次停止させられた。回復が遅れた理由:新規制基準の適合審査に時間がかかり、地元自治体の同意取得・仮処分・追加工事が必要なケースが多かった。
  • 小論:再稼働の正の効果:CO2排出削減(脱炭素)、LNG輸入削減(貿易収支改善)、エネルギー自給率向上、電気料金抑制。懸念点:核廃棄物処分問題の未解決、立地地域の安全・避難計画の課題、核拡散リスク、事故リスク。政策の方向:安全確認を前提に段階的再稼働を進めつつ、廃炉・廃棄物管理の長期計画を整備することが求められる。
図13-2-23

BWRとPWR

図13-2-23 BWRとPWR(沸騰水型・加圧水型原子炉の構造比較)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • BWR(沸騰水型):炉内で直接水を沸騰させてタービンを回す。炉心と蒸気タービンが直結。
  • PWR(加圧水型):高圧で水を沸騰させず加熱し、熱交換器経由で蒸気を発生させる2ループ方式。
  • 日本ではBWR・PWRの両方が稼働(東電・東北電がBWR系、関電・九電等がPWR系)。

🔍 背景・原因

  • 両者は異なる設計を持ち、各メーカー・電力会社が導入した技術系統に由来。
  • PWRの方が安全系が二重化されており安全上の優位性があるとの評価もある。

💡 意味・示唆

  • 福島第一原発はBWR型。炉型の違いがシビアアクシデント時の挙動の違いにも影響。
  • 原子力を学ぶ基礎知識として炉型の区別を理解しておく必要がある。

📝 出題アイデア

  • 記述BWRとPWRの構造上の違いを、蒸気発生の仕組みに着目して説明せよ。
  • 正誤「福島第一原発はPWR型の原子炉だった」の正誤を答えよ。
  • 組合せBWR・PWRとその採用例(電力会社)を対応させよ(※要確認)。
  • 記述:BWR(沸騰水型)は炉心内で直接水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回す単ループ方式。PWR(加圧水型)は炉心の水を高圧下で沸騰させず加熱し、別系統の熱交換器で蒸気を発生させる二ループ方式。
  • 正誤:誤り。福島第一原発はBWR(沸騰水型)原子炉。
  • 組合せ:BWR=東京電力・東北電力・中部電力(一部)等 / PWR=関西電力・九州電力・四国電力等(※各炉の詳細は原典で確認)。
図13-2-24

核燃料サイクル

図13-2-24 核燃料サイクル
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • ウラン採掘→濃縮→燃料加工→原子炉使用→使用済み燃料→再処理(プルトニウム回収)→再利用(プルサーマル)の循環を示す。
  • 再処理せず直接処分する「ワンス・スルー」方式との対比がある。

🔍 背景・原因

  • 日本は資源小国のため、ウランを最大限活用する核燃料サイクル政策を国策として推進してきた。
  • 六ヶ所再処理工場(青森県)が稼働を目指しているが完成が遅延中。

💡 意味・示唆

  • 核燃料サイクルの完成はウラン資源の有効活用(エネルギー安全保障)につながる。
  • プルトニウムの蓄積・管理・不拡散が国際的な懸念事項として存在する。

📝 出題アイデア

  • 記述核燃料サイクルの基本的な流れを、ウラン採掘から再処理まで順を追って説明せよ。
  • 小論日本が核燃料サイクル政策を推進する理由と、その課題を論ぜよ。
  • 記述:①ウラン採掘・製錬→②ウラン濃縮→③核燃料加工(ペレット・燃料棒)→④原子炉で発電→⑤使用済み燃料を再処理してプルトニウム・ウランを回収→⑥MOX燃料として再利用(プルサーマル)という循環。
  • 小論:推進理由:資源の乏しい日本にとってウランを繰り返し使える核燃料サイクルは「準国産燃料」として供給安定性を高める。課題:①六ヶ所再処理工場の長期遅延・コスト膨張、②プルトニウム蓄積への国際的不拡散懸念、③高レベル放射性廃棄物の最終処分地が未定、④経済性が高コストで疑問視される。
図13-2-25

放射性廃棄物の種類と概要

図13-2-25 放射性廃棄物の種類と概要
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 放射性廃棄物は高レベル(使用済み核燃料の再処理廃液・ガラス固化体)と低レベル(作業服・機器類等)に大別される。
  • 高レベル廃棄物は地下300m以深への地層処分が国際的な方針。
  • 日本では最終処分地の選定が進んでいない(全国公募中)。

🔍 背景・原因

  • 高レベル廃棄物は数万年にわたり高い放射線を出し続けるため、地表・地下水系から隔離が必要。
  • 「迷惑施設」として地元自治体・住民の受け入れ拒否が続く(NIMBY問題)。

💡 意味・示唆

  • 核廃棄物の最終処分地未定は原子力利用の最大の未解決問題。
  • 廃棄物を将来世代に先送りしているという倫理的批判もある。

📝 出題アイデア

  • 記述高レベル放射性廃棄物とはどのようなもので、なぜ地層処分が必要か説明せよ。
  • 小論日本で高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定が進まない理由を論ぜよ。
  • 記述:使用済み核燃料の再処理で生じる廃液をガラス固化したもの(ガラス固化体)等が高レベル放射性廃棄物。数万年にわたり強い放射線を出し続けるため、地表の生活圏から完全に隔離する必要があり、地震・水・人間活動の影響が少ない地下300m以深の安定した岩盤(地層処分)に埋設するのが国際的な方針。
  • 小論:長期にわたる放射線リスクと「迷惑施設」というイメージから、候補地選定で地域住民・自治体の同意を得ることが極めて困難(NIMBY問題)。加えて数万年にわたる安全性保証の困難さ、地質の不確実性、将来世代への影響についての価値観の対立もある。全国公募や交付金制度で立地誘致を図るが具体的な選定には至っていない。
図13-2-26

原子力発電所廃止措置の流れ

図13-2-26 原子力発電所廃止措置の流れ
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 廃止措置は4段階(運転終了→使用済み燃料搬出→汚染除去・設備解体→更地化)で構成される。
  • 全工程の完了まで20〜30年を要する長期プロジェクト。
  • 廃炉費用は1基あたり数百億〜1,000億円規模とされる(※要確認)。

🔍 背景・原因

  • 原子炉内部は中性子照射で金属が放射化しており、解体には厳重な放射線管理が必要。
  • 3.11後に廃炉が決まった炉が多く、廃炉技術・費用が現実の課題に。

💡 意味・示唆

  • 原子力の「後始末」コスト(廃炉・廃棄物処分)を含めたライフサイクルコストの評価が重要。
  • 廃炉・廃棄物処分の費用を誰がどう負担するかが社会的課題。

📝 出題アイデア

  • 記述原子力発電所の廃止措置(廃炉)が通常の火力発電所の廃止より複雑・長期になる理由を述べよ。
  • 小論廃炉費用・核廃棄物処分コストを含めて考えると、原子力発電のコスト評価はどうなるか論ぜよ。
  • 記述:炉内の金属は長年の中性子照射で放射化されており、通常の解体では放射線被ばくのリスクがある。使用済み核燃料の安全な取り出し・搬出、放射性汚染物の除去・分類・保管が必要で、専門技術・長期間・多大な費用がかかる。
  • 小論:従来の発電コスト比較(燃料費・建設費・運転費)に廃炉費用・使用済み燃料再処理費・高レベル廃棄物最終処分費を加えると、原子力の総コストは当初試算より高くなるとの評価が多い。ただし脱炭素効果・燃料輸入削減効果も大きく、社会的コスト(CO2による気候変動損害)まで含めるとどの電源が優位かは評価が分かれる。

まとめ & 出典

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