エネルギー動向 2025年6月版|第1章 第3節「一次エネルギーの動向(国内)」(石炭) ≡ 総合目次 🔗 公式 ↗

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国内エネルギー動向 | 第1章 第3節

一次エネルギーの動向 ― 石炭

石炭の供給・輸入構造・用途・価格を5枚のグラフで整理。豪州依存と脱炭素の矛盾、ウクライナ侵略後の価格高騰が入試頻出テーマ。

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出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」第1章第3節(クリックで公式ページ)を基に作成

この節で何が言えるか(3行サマリー)

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図13-1-20

国内炭・輸入炭の供給の推移

図13-1-20 国内炭・輸入炭の供給の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 輸入炭:1988年度に1億トン超へ急増し、近年は1.8億トン前後で推移。
  • 国内炭(一般炭):2023年度62万トンと激減(最盛期比1%以下)。
  • 供給のほぼ全量が輸入炭で占められ、国内生産はほぼ皆無。

🔍 背景・原因

  • 国内炭鉱はエネルギー革命(石炭→石油転換)で戦後急速に閉山。夕張・三池等の炭鉱が次々廃業。
  • 輸入炭は豪州・カナダ等から大量・安価に供給され、発電・鉄鋼で需要が継続。
  • 3.11後の原発停止で石炭火力が増加し、輸入量も増加。

💡 意味・示唆

  • かつてのエネルギー基幹産業だった国内炭鉱が消滅し、完全な輸入依存に転換した歴史的変化。
  • CO2排出が化石燃料中最大の石炭が大量消費されており、脱炭素の課題として浮上。

📝 出題アイデア

  • 読取現在の石炭供給のうち輸入炭の割合と規模を答えよ。
  • 記述戦後に国内炭鉱が急速に衰退した背景を「エネルギー革命」の語を用いて説明せよ。
  • 小論石炭が現在も大量に輸入・消費される理由と、脱炭素との矛盾を論ぜよ。
  • 読取:ほぼ全量が輸入炭で、年間1.8億トン前後を輸入。国産は2023年度約62万トンと極めて微小。
  • 記述:1950〜60年代に国内エネルギーの主力が石炭から石油(エネルギー革命)に転換し、国内炭の需要が激減した。安価な輸入石油に対抗できず、夕張・三池等の炭鉱が次々と閉山した。
  • 小論:石炭は発電・鉄鋼(コークス)に代替困難な用途があり、LNGより安価で大量調達できる利点がある。一方CO2排出原単位が化石燃料中最大で、気候変動対策上は削減が急務。脱炭素には代替技術(アンモニア混焼・CCS)の開発や電化・再エネ拡大が必要。
図13-1-21

石炭の輸入先(2023年度)

図13-1-21 石炭の輸入先(2023年度)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 一般炭(発電用):豪州71%が最大、インドネシア・ロシア等が続く。
  • 原料炭(鉄鋼用):豪州53%が最大、カナダ・米国等。
  • いずれも豪州への依存度が高く、単国リスクが存在する。

🔍 背景・原因

  • 豪州は世界有数の石炭埋蔵・生産国で、日本との長期契約・地理的近さが優位。
  • 2022年のロシア産石炭禁輸(西側制裁)で豪州・インドネシアへのシフトが加速。

💡 意味・示唆

  • LNGでも同様に豪州依存が高く、日本のエネルギー安全保障が豪州との関係に大きく依存している。
  • ロシア産禁輸の影響を受けた調達先変更の実例が石炭でも確認できる。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年度の一般炭・原料炭の最大輸入先とそれぞれの割合を答えよ。
  • 記述2022年以降に石炭輸入先の構成が変化した要因を述べよ。
  • 組合せLNG(豪州41%)と石炭(豪州71%)の輸入先を比較し、豪州依存の度合いを整理せよ。
  • 読取:一般炭=豪州71%、原料炭=豪州53%。
  • 記述:ロシアのウクライナ侵略(2022年)に伴うG7等の制裁でロシア産石炭の禁輸が行われ、代替調達先として豪州・インドネシアへの依存がさらに高まった。
  • 組合せ:LNGで豪州41%、一般炭で71%と石炭の方が豪州依存が顕著に高い。日本全体のエネルギー調達において豪州は最重要パートナー国となっている。
図13-1-22

石炭消費の推移(用途別)

図13-1-22 石炭消費の推移(用途別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年度:電気業(発電用)約1.0億トン、鉄鋼業(コークス原料)約5,400万トンが二大用途。
  • 3.11後(2011年以降)に電気業用が急増。近年は再エネ拡大で緩やかに減少傾向。
  • 鉄鋼業は産業動向に左右されるが、コークスは電炉でも代替困難。

🔍 背景・原因

  • 原発停止後の電力不足を石炭火力で補った(安価・大容量)。
  • 鉄鋼用コークスは製鉄の還元剤として不可欠で代替が難しい。

💡 意味・示唆

  • 脱炭素には発電用石炭を再エネ・原子力で代替することが最大の課題。
  • 鉄鋼用は水素還元製鉄等の技術革新が必要でより困難。

📝 出題アイデア

  • 読取石炭消費の主な用途2つとその規模(2023年度)を答えよ。
  • 記述鉄鋼業で石炭(コークス)の削減が電気業より困難な理由を述べよ。
  • 小論日本が石炭消費を削減するための技術的・政策的手段を論ぜよ。
  • 読取:電気業(発電用)約1.0億トン、鉄鋼業(コークス原料)約5,400万トン。
  • 記述:製鉄のコークスは鉄鉱石から酸素を取り除く還元剤として化学的に機能しており、電気では代替できない。水素還元製鉄の実用化には技術的・経済的ハードルがある。
  • 小論:発電用は再エネ・原子力の拡大と石炭火力の段階的廃止・アンモニア混焼で削減可能。製鉄用は水素還元製鉄の開発・普及が必要。政策上はカーボンプライシング(炭素税・排出権取引)による経済的インセンティブ付けも重要。
図13-1-23

国内炭価格・輸入炭価格(CIF)の推移

図13-1-23 国内炭価格・輸入炭価格(CIF)の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2022年7月:原料炭約53,000円/トン(過去最高水準)。
  • 2022年11月:一般炭約59,000円/トン(過去最高水準)。
  • 2023年以降は下落傾向。国内炭価格は輸入炭価格より高く、競争力の差が明確。

🔍 背景・原因

  • ウクライナ侵略後のロシア産石炭禁輸で供給が減少し、需給がひっ迫した。
  • 欧州各国もロシア産の代替を同時期に世界市場で調達したため、価格が急騰。
  • 国内炭は深部採掘で高コストのため輸入炭より常に割高。

💡 意味・示唆

  • 石炭価格の急騰は電気料金・鉄鋼コストを直撃し、インフレを悪化させた。
  • 地政学リスクが石炭市場にも波及することを示す典型例。

📝 出題アイデア

  • 読取石炭価格が過去最高となった時期と種別(一般炭・原料炭)を答えよ。
  • 記述2022年の石炭価格高騰がなぜ電気料金上昇につながったか説明せよ。
  • 組合せLNG・石炭・石油の2022年価格高騰を1枚の因果図にまとめよ(口頭でも可)。
  • 読取:原料炭=2022年7月頃に約53,000円/トン、一般炭=2022年11月頃に約59,000円/トンで各々の過去最高水準。
  • 記述:発電用石炭(一般炭)の価格が急騰したため、石炭火力の発電コストが大幅に上昇した。これが電力会社のコスト増加を通じて電気料金に転嫁された。
  • 組合せ:ウクライナ侵略→①ロシア産石炭禁輸(石炭需給ひっ迫)②ロシア産ガス削減(LNG需給ひっ迫)③産油国不安定化(石油高騰)→化石燃料全面高騰→エネルギーコスト上昇→電気・ガス料金高騰→物価全般上昇(インフレ)。
図13-1-24

石炭の輸入額と石炭輸入額が輸入全体に占める割合の推移

図13-1-24 石炭の輸入額と石炭輸入額が輸入全体に占める割合の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2022年度:石炭輸入額の対輸入全体比6.9%と急上昇(過去最高水準)。
  • 2023年度:価格下落により比率が低下。
  • 通常は原油(10%前後)・LNG(5〜9%)より低い水準。

🔍 背景・原因

  • 2022年の価格急騰で石炭も輸入額が膨張し、貿易赤字拡大の一因となった。
  • 石炭は輸入量が多いため、価格高騰時の貿易収支への打撃は大きい。

💡 意味・示唆

  • 原油・LNG・石炭の三つが揃って高騰した2022年は、輸入コストが日本の貿易収支を大幅に悪化させた。
  • エネルギーの輸入依存は国際価格ショックへの脆弱性として経常収支・物価に現れる。

📝 出題アイデア

  • 読取2022年度に石炭輸入額の割合が急上昇した背景を答えよ。
  • 比較原油・LNG・石炭の輸入額割合(2023年度)を比較し、日本のエネルギー輸入構造を説明せよ。
  • 小論化石燃料の国際価格高騰が日本経済に与える影響のメカニズムを論ぜよ。
  • 読取:ロシアのウクライナ侵略後にロシア産石炭の禁輸と欧州の代替需要増加が重なり、国際石炭価格が急騰したため。
  • 比較:2023年度:原油10.4%、LNG5.6%、石炭(約3〜4%、要確認)。エネルギー輸入全体で日本の輸入総額の20%超を占め、その大半が化石燃料3種。
  • 小論:化石燃料価格高騰→輸入コスト増大→貿易収支悪化(輸入超過)→円安圧力→さらなる輸入コスト増(悪循環)→電気・ガス・ガソリン料金上昇→家計・企業コスト増→消費・投資抑制。これを断ち切るには国産エネルギー(再エネ・原子力)の拡大が根本策。

まとめ & 出典

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