エネルギー動向 2025年6月版|第2章 第2節「一次エネルギーの動向(国際)」(再生可能エネルギー) ≡ 総合目次 🔗 公式 ↗

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国際エネルギー動向 | 第2章 第2節

一次エネルギーの動向 ― 再生可能エネルギー

世界の再エネ投資・太陽光・風力・地熱・水力・バイオマス・発電コストの全8図を読み解く。

各図 =「問題の素材(グラフ)」+「読み取りポイント」+「背景・意味」+「出題アイデア+解答例」。図はクリックで拡大。

出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」第2章第2節を基に作成

この節で何が言えるか(3行サマリー)

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図22-2-1

再生可能エネルギーへの投資の推移(地域別)

図22-2-1 再生可能エネルギーへの投資の推移(地域別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年に6,000億ドル超と大幅増加し、過去最高水準を更新。
  • 欧州・米国が増加傾向にあり、先進国での投資拡大が顕著。
  • 中国が世界最大の再エネ投資国として世界全体を牽引。

🔍 背景・原因

  • 各国の脱炭素政策(日本のGX、米国のIRA、EUのグリーンディール)による投資促進。
  • 化石燃料価格の高騰(特に2022年ウクライナ侵攻後)が再エネの競争力を相対的に高めた。
  • ESG投資の拡大により機関投資家の再エネ資金流入が増加した。

💡 意味・示唆

  • 再エネが世界の投資の主役に——化石燃料投資を超える規模に成長。
  • 投資増→設備増→コスト低下の好循環が形成され、さらなる投資を呼び込む。
  • 日本は投資規模で主要国に後れをとっており、GX政策による加速が急務。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の世界の再エネ投資額はおよそいくらか。
  • 記述再エネへの投資が急増している政策的背景を述べよ。
  • 小論先進国と新興国の再エネ投資規模の差が将来のエネルギー市場に与える影響を論ぜよ。
  • 読取:2023年の世界の再エネ投資額はおよそ6,000億ドル超(過去最高水準)。
  • 記述:米国のIRA(インフレ削減法)によるクリーンエネルギー税制優遇、EUのグリーンディールによる欧州グリーン産業政策、日本のGX(グリーントランスフォーメーション)推進など、各国が気候変動目標(パリ協定・カーボンニュートラル)に向けた法整備・補助金で再エネ投資を促進した。また化石燃料価格の高騰がエネルギー安全保障の観点から再エネへの転換を急がせた。
  • 小論:先進国は技術・資本・制度が整い、効率的な再エネ導入が可能な一方、新興国は資金・インフラ・規制整備が遅れ、化石燃料依存が続く。この差は世界のCO₂排出削減の遅れに直結する。ただし中国のように新興国が先進国を超える規模で投資する例もあり、今後は気候資金(先進国から途上国への支援)の充実と技術移転が世界全体のエネルギー転換の速度を左右する。
図22-2-2

再生可能エネルギーへの投資の推移(発電方式別)

図22-2-2 再生可能エネルギーへの投資の推移(発電方式別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 太陽光と風力に投資が集中しており、両者で再エネ投資の大部分を占める。
  • 太陽光が風力を上回り最大の投資先として定着している。
  • 水力・バイオマス・地熱等は相対的に小さい投資規模にとどまる。

🔍 背景・原因

  • 太陽光パネルのコストが過去10年で90%以上低下し、投資対効果が劇的に改善した。
  • 陸上・洋上風力も建設コストが低下し、大規模開発が経済合理性を持つようになった。
  • 太陽光はコンパクトで設置場所を選ばず、家庭・工場・メガソーラーと幅広く展開できる。

💡 意味・示唆

  • 「太陽光優位」の時代——電力の民主化(屋上太陽光)が進み、エネルギーの分散化が加速。
  • 出力変動する太陽光・風力の急拡大により、系統安定化・蓄電池が次の主要課題に。
  • 水力・地熱・バイオマスへの投資不足が「24時間安定電源」の確保に課題を残す。

📝 出題アイデア

  • 読取再エネ投資において最も大きい発電方式はどれか。
  • 記述太陽光発電への投資が拡大し続ける主な理由を述べよ。
  • 組合せ再エネ方式(太陽光・風力・水力)と投資規模の順位を対応させよ。
  • 読取:太陽光発電。
  • 記述:太陽光パネルの製造コストが技術革新・規模の経済・中国製パネルの大量供給により過去10年で90%超低下し、投資回収年数が大幅に短縮された。また設置場所を選ばない柔軟性、モジュール型で規模調整が容易な特性、FIT(固定価格買取制度)等の制度的後押しも投資拡大を促した。
  • 組合せ:①太陽光(最大)→②風力→③水力(比較的小さい)の順。
図22-2-3

世界の太陽光発電の累積導入量の推移(国別)

図22-2-3 世界の太陽光発電の累積導入量の推移(国別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年の世界累積導入量は16.4億kWと急拡大。
  • 中国が世界第1位で、世界全体の約40%を占める圧倒的な存在感。
  • 欧州・米国・日本が続き、アジア太平洋地域で導入が加速している。

🔍 背景・原因

  • 中国の政府補助金と製造コスト低下(中国製パネルが世界市場を席巻し低価格化)。
  • 各国のFIT(固定価格買取制度)や入札制度が大規模導入を後押し。
  • 日本は2012年のFIT導入後に急増し、世界有数の導入国に成長した。

💡 意味・示唆

  • 太陽光は最速で普及した発電技術の一つ——約15年で世界の電力構成を変えた。
  • 中国の技術・製造覇権が世界の再エネ展開を左右しており、供給網の地政学リスクが浮上。
  • 日本は累積量では世界上位だが、設置余地(建物・耕作放棄地等)に対して活用余地がまだ大きい。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の世界太陽光発電累積導入量はおよそ何億kWか。
  • 記述中国が世界最大の太陽光発電導入国となった理由を述べよ。
  • 正誤「日本は2023年時点で太陽光発電の累積導入量で世界1位である」について正誤を判定し、理由を述べよ。
  • 読取:約16.4億kW。
  • 記述:中国政府が太陽光産業を国策として育成し、大規模な補助金・優遇融資でパネル製造を拡大させた。これによりパネルの製造コストが世界最低水準まで低下し、国内設置コストも大幅に下がった。また国内の旺盛な電力需要と「2060年カーボンニュートラル」目標が大規模設置を後押しした。
  • 正誤:誤り。世界第1位は中国(世界の約40%を占める)。日本は上位には入るが、1位ではない。
図22-2-4

世界の風力発電の導入状況の推移(国別)

図22-2-4 世界の風力発電の導入状況の推移(国別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年の世界累積導入量は10.0億kWと着実に拡大。
  • 中国が約4割のシェアを占め、圧倒的な世界最大の風力大国。
  • 米国・欧州(ドイツ・英国等)がそれに続く構造。

🔍 背景・原因

  • 中国が広大な内陸部での大規模陸上風力開発を国策として推進。
  • 欧州は北海での洋上風力開発を積極的に推進し、英国・デンマーク・ドイツが先導。
  • 米国はIRA(インフレ削減法)による税制優遇で風力投資が拡大した。

💡 意味・示唆

  • 陸上風力は成熟段階に入り、洋上風力が次の主力電源として各国が開発を競っている。
  • 日本は洋上風力のポテンシャルが大きいが(四方を海に囲まれた地理)、導入は遅れている。
  • 風力も太陽光と同様、製造は中国が圧倒的優位——タービン・部品の中国製化が進む。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の世界風力発電累積導入量はおよそ何億kWで、中国のシェアはおよそ何%か。
  • 記述欧州が洋上風力開発を積極的に進める理由を述べよ。
  • 小論日本が洋上風力を拡大する上での課題と可能性を論ぜよ。
  • 読取:約10.0億kW。中国のシェアは約4割(約40%)。
  • 記述:欧州は陸上の風力適地が限られてきた一方、北海は強風・浅海域が広がり洋上風力の好適地。また欧州各国は再エネ100%を目指す政策目標があり、洋上風力は大規模・安定的な出力を見込める主力電源として位置づけられている。英国・デンマーク等は早期から技術開発・制度整備を進めてきた。
  • 小論:【可能性】日本は排他的経済水域(EEZ)が広大で風況も良好な海域が多く、洋上風力の潜在能力は大きい。GX法で2030年代に1,000万kWの目標を設定。【課題】①漁業権との調整——漁場との競合が導入の最大障壁。②系統接続——離島・沿岸部から本土系統への海底ケーブル整備コストが膨大。③水深——日本近海は深い海域が多く、着床式より高コストな浮体式への転換が必要。④サプライチェーン——洋上風力の部品製造・設置船が国内に不足し、外国依存となる恐れ。これらを官民連携で克服することが日本の洋上風力展開の鍵となる。
図22-2-5

世界の地熱発電の導入状況の推移(国別)

図22-2-5 世界の地熱発電の導入状況の推移(国別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年の世界累積導入量は1,503万kW(太陽光・風力・水力と比べて小規模)。
  • 米国が世界最大(世界シェア約25%)で、フィリピン・インドネシア・ケニア・日本などが続く。
  • 環太平洋火山帯・アフリカのリフト帯など特定地域に分布が偏在している。

🔍 背景・原因

  • 地熱は地球内部の熱を利用するため、火山・地熱活動が活発な地域に資源が偏在する。
  • 米国(ガイザーズ地熱地帯等)・フィリピン・インドネシアは早期から大規模開発を推進。
  • 日本は世界第3位の地熱ポテンシャルを持つが、国立公園規制・温泉権利問題で開発が低調。

💡 意味・示唆

  • 地熱は24時間安定出力のベースロード電源——太陽光・風力の出力変動を補完できる希少な再エネ。
  • 日本の地熱開発遅れは規制(温泉法・国立公園法)と地域との合意形成が最大の障壁であり、政策的解決が急務。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の世界地熱発電累積導入量はおよそ何万kWか。
  • 記述地熱発電が他の再エネと異なる特性(利点と制約)を述べよ。
  • 小論日本が地熱発電の豊富なポテンシャルを活かせていない理由と、開発を進めるための課題を論ぜよ。
  • 読取:約1,503万kW。
  • 記述:【利点】天候・時間帯に左右されず24時間安定的に発電できるベースロード電源であり、再エネの中で最も安定した出力特性を持つ。CO₂排出量も非常に少ない。【制約】火山・地熱活動が活発な特定地域にしか資源が存在せず(地理的偏在)、掘削・資源調査に多大な初期コストがかかる。また開発に長い年月を要する。
  • 小論:【活かせていない理由】①温泉法・国立公園法の規制——有望な地熱地帯の多くが国立・国定公園内や温泉地と重複し、開発が法令上制限されている。②温泉業者との利権対立——地熱開発が温泉の湯量・水質を変化させる懸念から地域の強い反対がある。③長い開発期間とリスク——初期の資源調査・試掘に多大な費用と時間がかかり、リターンまでの不確実性が高い。【課題と対策】①規制緩和——国立公園内の小型地熱発電の条件付き許可(既に一部実施)。②地域共生モデル——温泉業者や自治体との収益共有・合意形成プロセスの制度化。③官民リスク分担——国が資源調査費用を補助・保証し、民間の初期投資リスクを軽減する。日本のポテンシャルを活かすには技術・制度・地域合意の三位一体の取り組みが必要。
図22-2-6

世界の水力発電の導入状況の推移(国別)

図22-2-6 世界の水力発電の導入状況の推移(国別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年の世界累積導入量は12.6億kW——太陽光に匹敵する大規模な設備容量。
  • 中国が約3割を占め世界最大の水力大国。ブラジル・米国・カナダ・インドが続く。
  • 長年の開発蓄積で伸びはゆるやかになっており、新規大規模開発は限定的。

🔍 背景・原因

  • 中国が三峡ダム等の超大型水力プロジェクトを推進し、世界最大の水力国に成長。
  • ブラジル・カナダは大河川・豊富な降水量を活用した大規模水力に恵まれた地理条件を持つ。
  • 水力は最も古い再エネであり、多くの先進国では適地はすでに開発済みの状態。

💡 意味・示唆

  • 水力は設備容量では太陽光と同水準だが、今後の大幅増は困難——適地の枯渇と環境規制が制約。
  • 揚水発電が太陽光・風力の変動を調整する蓄電手段として再評価が進んでいる。
  • 大型ダムの生態系破壊・水没住民問題(三峡ダム等の例)が社会的課題として残る。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の世界水力発電累積導入量はおよそ何億kWか。また世界最大の水力発電国はどこか。
  • 記述水力発電が「安定電源」と評価される理由と、今後の大幅な拡大が困難な理由を述べよ。
  • 組合せ再エネ方式(太陽光・風力・水力・地熱)を2023年の累積導入量で大きい順に並べよ。
  • 読取:約12.6億kW。世界最大の水力発電国は中国。
  • 記述:【安定電源の理由】水力は河川の流量をダムで制御して発電するため、需要に応じた出力調整が可能で天候に左右されにくい。24時間安定供給に優れたベースロード・ミドル電源として機能する。【拡大困難な理由】大型ダムに適した地形(高低差・大河川)は先進国ではほぼ開発済みであり、残る適地は生態系が豊かな地域や社会的に開発困難な場所が多い。環境影響評価・住民移転問題が開発の大きな障壁となっている。
  • 組合せ:①太陽光(16.4億kW)②水力(12.6億kW)③風力(10.0億kW)④地熱(0.15億kW=1,503万kW)の順。
図22-2-7

世界のバイオマス利用状況(2022年)

図22-2-7 世界のバイオマス利用状況(2022年)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • バイオマスは世界の一次エネルギー総供給の8.4%を占める(2022年)。
  • OECD国6.0%・非OECD国10.1%と途上国での利用率が高い。
  • 途上国では調理・暖房用の伝統的バイオマス(薪・木炭)が中心を占める。

🔍 背景・原因

  • 途上国では近代的エネルギー(電力・ガス)へのアクセスが不足しており、薪・木炭が生活エネルギーとして不可欠。
  • 先進国では木質ペレット(発電・熱利用)・バイオ燃料(自動車・航空)として近代的な利用が拡大。
  • 日本では木質ペレットの輸入(主に北米・東南アジア)による火力発電の混焼・専焼が増加。

💡 意味・示唆

  • 「バイオマスが再エネ最大」は伝統的利用との合算——現代的バイオエネルギーは実際にはより小さい。
  • 伝統的バイオマスは室内空気汚染・森林破壊という重大な社会・環境問題と直結。
  • 日本の木質バイオマス発電は輸入ペレット依存が課題——持続可能性・フードvs.エネルギー論争も存在。

📝 出題アイデア

  • 読取2022年のバイオマスは世界の一次エネルギー総供給の何%を占めるか。またOECDと非OECDではどちらが高いか。
  • 記述途上国と先進国でバイオマス利用の実態が大きく異なる理由を述べよ。
  • 正誤「OECDのバイオマス利用率は非OECDより高い」について正誤を判定し、理由を述べよ。
  • 読取:約8.4%。OECD(6.0%)より非OECD(10.1%)の方が高い。
  • 記述:途上国では電力・ガス等の近代的エネルギーのインフラ・コストへのアクセスが制限されており、薪・木炭・家畜糞等の伝統的バイオマスが唯一の生活エネルギーとなっている世帯が多い。一方、先進国では近代的エネルギーへのアクセスが確保された上で、発電・輸送用バイオ燃料・熱利用として意図的にバイオマスを選択利用する形態(近代的バイオエネルギー)が主体。両者は利用目的・利用形態・社会的文脈が全く異なる。
  • 正誤:誤り。OECDは6.0%、非OECDは10.1%で、非OECDの方が高い。これは途上国での伝統的バイオマス(薪・木炭)依存が高いためである。
図22-2-8

世界の再生可能エネルギー発電コストの推移

図22-2-8 世界の再生可能エネルギー発電コストの推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2023年の太陽光LCOE(均等化発電コスト)は0.05ドル/kWhと化石燃料より安価な水準に。
  • 陸上風力は0.03ドル/kWhで、主要電源の中で最安レベルを実現。
  • 洋上風力は0.08〜0.1ドル/kWh程度とやや高めだが、技術進歩で低下傾向。過去10年で全方式が大幅なコスト低下を達成。

🔍 背景・原因

  • 技術革新(太陽光パネル変換効率の向上・風力タービンの大型化)による発電量増加。
  • 規模の経済——大量生産・大規模展開でパネル・タービンの単価が急落。
  • 中国製パネル・タービンの低価格化がグローバル市場全体のコスト水準を引き下げた。

💡 意味・示唆

  • 「再エネが最安の電源」時代に突入——新規石炭・LNG発電所は経済的に不利になりつつある。
  • 電力コストの低下が産業・経済全体の脱炭素(グリーン水素製造等)を後押しする連鎖効果。
  • コストが下がっても「系統安定化コスト・蓄電コスト」が次の障壁——総コストの観点が必要。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の太陽光発電と陸上風力発電のLCOEはそれぞれおよそ何ドル/kWhか。
  • 記述再エネ発電コストが急低下した要因を技術・規模・市場の観点で述べよ。
  • 小論再エネが最安の電源になっても普及に障壁が残る理由を、系統・蓄電の観点から論ぜよ。
  • 読取:太陽光:約0.05ドル/kWh、陸上風力:約0.03ドル/kWh。
  • 記述:【技術】太陽光パネルの変換効率向上・風力タービンの大型化・高効率化が単位発電量あたりのコストを低下させた。【規模の経済】世界的な大量生産・大規模展開により製造・設置コストが劇的に下がった。【市場競争】中国製パネル・タービンの大量供給が価格競争を激化させ、グローバル市場全体のコスト水準を引き下げた。この3要因が相乗的に作用した。
  • 小論:再エネのLCOE(発電コスト)が低下しても、普及には以下の構造的障壁が残る。①系統安定化コスト——太陽光・風力は出力が天候依存で変動するため、需給バランスを保つためのバックアップ電源・系統調整費用が別途必要。これを加味した「システムコスト」では再エネの優位が小さくなる。②蓄電池コスト——余剰電力を貯める蓄電池のコストがまだ高く、大規模蓄電による変動対応には多大な投資が必要。③系統インフラ——再エネの最適地(砂漠・洋上等)と消費地が離れていることが多く、長距離送電インフラ整備に多大なコスト・時間がかかる。つまり再エネ単体では安価でも、「安定的に電力を届ける」システム全体のコストを考える必要があり、それが普及の現実的な障壁となっている。

まとめ & 出典

再エネ節の横断大問候補(複数図を組み合わせた論述問題)