エネルギー動向 2025年6月版|第2章 第2節「一次エネルギーの動向(国際)」(石油) ≡ 総合目次 🔗 公式 ↗

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国際エネルギー動向 | 第2章 第2節

一次エネルギーの動向 ― 石油

世界の石油埋蔵量・生産・消費・貿易・価格の全動向を図で読み解く。

各図 =「問題の素材(グラフ)」+「読み取りポイント」+「背景・意味」+「出題アイデア+解答例」。図はクリックで拡大。

出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」第2章第2節を基に作成

この節で何が言えるか(3行サマリー)

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図22-1-1

世界の石油確認埋蔵量(2020年末)

図22-1-1 世界の石油確認埋蔵量(2020年末)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • ベネズエラが17.5%で世界最大。サウジアラビアが17.2%で続く。
  • 中東合計で全体の約50%を占める圧倒的な集中。
  • イラン・イラク・クウェート・UAE等の中東諸国が上位に連なる。

🔍 背景・原因

  • ベネズエラのオリノコ帯は超重質油で技術的・地政学的制約が大きく、実際の生産量は低水準。
  • 中東の大規模な在来型油田(サワー型・軽質油)は採掘コストが低く経済的に利用しやすい。

💡 意味・示唆

  • 日本の石油輸入の中東依存度が高く、埋蔵量の偏在がエネルギー安全保障リスクに直結。
  • 「量は豊富、だが地理的・地政学的偏在」という構造を把握することが安全保障議論の出発点。

📝 出題アイデア

  • 読取2020年末時点で世界最大の石油確認埋蔵量を保有する国はどこか。また中東地域全体では世界全体の約何%を占めるか。
  • 記述中東に石油埋蔵量が集中していることが日本のエネルギー安全保障に与える影響を述べよ。
  • 正誤「米国が世界最大の石油確認埋蔵量保有国である」について正誤を判定し、理由を述べよ。
  • 読取:ベネズエラ(17.5%)。中東地域全体で約50%。
  • 記述:日本は石油の大部分を中東から輸入しており、中東への集中は中東情勢の不安定化(紛争・政変・制裁等)が日本のエネルギー調達を直撃するリスクを意味する。輸入先の多角化や備蓄強化、省エネ推進が安全保障上の対応策となる。
  • 正誤:誤り。確認埋蔵量の最大保有国はベネズエラ(17.5%)であり、米国は上位ではあるが最大ではない。なお生産量では米国が世界最大だが、確認埋蔵量と生産量は別概念である。
図22-1-2

EIAによるシェールオイル・シェールガス資源量評価マップ(2015年)

図22-1-2 EIAによるシェールオイル・シェールガス資源量評価マップ(2015年)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 世界のシェールオイル可採資源量は約4,189億バレル(EIA推計)。
  • ロシア・米国・中国・アルゼンチンなど広域・多地域に分布し、在来型埋蔵量の地理的分布と大きく異なる。
  • 中東以外の国々にも大規模な非在来型資源が存在することが確認された。

🔍 背景・原因

  • 水平坑井技術と水圧破砕(フラッキング)の組み合わせにより、頁岩(シェール)層に封じ込められていた石油・天然ガスの商業生産が可能になった。
  • 米国での商業化成功が世界各国の非在来型資源評価を促進した。

💡 意味・示唆

  • シェール技術が地政学の勢力図を塗り替えた——中東依存という常識に一石を投じた。
  • 在来型資源に偏ったエネルギー安全保障戦略の見直しが必要であることを示す。

📝 出題アイデア

  • 読取EIAが推計するシェールオイルの世界全体の可採資源量はおよそ何億バレルか。
  • 記述シェール革命が国際石油市場に与えた影響を、技術面と地政学面から述べよ。
  • 小論在来型資源とシェール資源の地理的偏在を比較し、エネルギー安全保障上の含意を論ぜよ。
  • 読取:約4,189億バレル。
  • 記述:技術面では水平坑井・水圧破砕の低コスト化が非在来型資源の大規模開発を可能にした。地政学面ではOPECに依存しない新たな供給源(米国・ロシア等)が台頭し、OPECのプライシングパワーが相対的に低下した。
  • 小論:在来型は中東・ロシア等に偏在し、特定地域リスクが高い。シェール資源は米国・中国・アルゼンチン等に広く分布し、供給多角化に貢献。ただし開発コスト・環境規制・水資源制約があり、全面的な代替は難しい。分散が進んでも技術力・インフラの差で実際の供給能力には格差があることに留意が必要。
図22-1-3

世界の原油生産の推移(地域別)

図22-1-3 世界の原油生産の推移(地域別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 1973年〜2023年で世界の原油生産量は約1.6倍に拡大。
  • 中東・旧ソ連・北米の三極構造が長期にわたり継続。
  • 近年は北米(米国シェール)の急拡大が全体の生産増を牽引。

🔍 背景・原因

  • 1973年オイルショック後、OECDが非OPEC産油国の増産を推進し供給の多様化が進んだ。
  • 2010年代のシェール革命で米国産油量が急増し、北米のシェアが拡大した。

💡 意味・示唆

  • 生産の地理的多様化は進んだが中東依存は残存——地政学的多極化で価格変動の複雑さが増している。
  • 地域ごとの生産シェア変動を読み解くことが、国際情勢とエネルギー市場の連動理解に直結する。

📝 出題アイデア

  • 読取1973年と2023年を比較し、世界の原油生産はどの程度増加したか。また近年の生産増を牽引した地域はどこか。
  • 記述北米の原油生産が急増した技術的背景を述べよ。
  • 組合せ地域(中東・北米・旧ソ連)と生産シェアの時系列変化の傾向を対応させよ。
  • 読取:約1.6倍に増加。近年の生産増を牽引したのは北米(米国のシェールオイル)。
  • 記述:水平坑井技術と水圧破砕(フラッキング)の普及・低コスト化により、従来は採掘不可能だったシェール層(頁岩層)の石油が商業生産できるようになった。
  • 組合せ:中東=長期にわたり高シェアを維持(ただし変動あり)/北米=2010年代以降急増/旧ソ連=ソ連崩壊後一時減少、その後回復・安定。
図22-1-4

世界の原油生産の推移(OPEC・非OPEC別)

図22-1-4 世界の原油生産の推移(OPEC・非OPEC別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 非OPEC生産は1965年1,809万バレル/日→2023年6,233万バレル/日と約3.4倍に大幅増加。
  • OPECの生産シェアは長期的に低下傾向(1970年代ピーク後に非OPECが逆転)。
  • 両者合計の増加が世界の石油需要増に対応してきた。

🔍 背景・原因

  • 1973・1979年のオイルショックを受け、OECD諸国が非OPEC産油国の増産(北海油田・アラスカ等)を推進。
  • 2010年代のシェール革命で米国が急増し、非OPECシェアがさらに拡大した。

💡 意味・示唆

  • OPECのプライシングパワーが相対的に低下——非OPEC多様化で石油市場の供給リスクが分散した。
  • 現在は非OPECが生産の過半を占め、OPECの単独支配という構図は過去のものになりつつある。

📝 出題アイデア

  • 読取非OPECの原油生産は1965年から2023年でおよそ何倍になったか。具体的な数値を用いて答えよ。
  • 記述OPECの生産シェアが長期的に低下した理由を、1970年代の出来事を踏まえて述べよ。
  • 正誤「現在も世界の石油生産の過半はOPECが占める」の正誤を判定し、理由を述べよ。
  • 読取:1,809万→6,233万バレル/日でおよそ3.4倍。
  • 記述:1973・1979年のオイルショック後、石油価格高騰を背景にOECD諸国が北海油田・アラスカ・メキシコ等の非OPEC産油国の開発を促進し、生産シェアを引き上げた。さらに2010年代のシェール革命で米国が急増したことが決定的な要因となった。
  • 正誤:誤り。現在は非OPECの生産量がOPECを上回り、世界の生産シェアの過半は非OPECが占める。
図22-1-5

米国のシェールオイル生産の推移

図22-1-5 米国のシェールオイル生産の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2010年代から急激に増加し、2023年には過去最高水準を更新。
  • 2020年コロナ禍で一時的に落ち込んだ後、急速に回復・拡大。
  • パーミアン盆地・イーグルフォード・バッケン等の主要シェール地帯が牽引。

🔍 背景・原因

  • 水平坑井・水圧破砕技術の技術革新とコスト低下が商業採算ラインを下げた。
  • 高油価局面がシェール開発への投資を促し、生産規模を拡大させた。
  • バイデン政権下でも環境規制はあったが、市場原理による増産は継続した。

💡 意味・示唆

  • 米国が世界最大産油国として地政学的影響力を拡大——OPECへの交渉力増大と「エネルギー独立」の実現。
  • シェール生産の限界費用(ブレークイーブン価格)が国際油価の「床」として機能するようになった。

📝 出題アイデア

  • 読取米国のシェールオイル生産はいつ頃から急増したか。また2020年の変化とその後の動向を説明せよ。
  • 記述シェールオイル増産が米国の対外エネルギー政策に与えた影響を述べよ。
  • 小論シェール革命が中東産油国・日本にそれぞれ与えた影響を論ぜよ。
  • 読取:2010年代前半から急増。2020年はコロナ禍による需要急減と油価暴落で一時的に落ち込んだが、その後急速に回復し2023年には過去最高水準に達した。
  • 記述:シェール増産によりエネルギー輸入依存から脱却(「エネルギー独立」)し、輸出国に転じた。対中東では交渉力が増し、ホルムズ海峡防衛への戦略的負担を軽減させた。また原油・LNG輸出国として国際市場への影響力を強めた。
  • 小論:中東産油国への影響=原油価格下落と市場シェア低下。サウジアラビアはOPEC+減産で対応したが収入は不安定化し、脱石油の経済多角化(ビジョン2030等)が加速。日本への影響=輸入先の多様化機会が広がり、米国産シェールLNG・原油の輸入が開始された。ただし中東依存からの完全脱却は困難であり、安全保障リスクは残存している。
図22-1-6

OPEC/非OPECの減産目標値の推移

図22-1-6 OPEC/非OPECの減産目標値の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2024年12月時点で複数の自主減産が延長されており、OPECプラスの協調減産が継続中。
  • コロナ禍(2020年)での大規模減産後、需要回復に合わせて段階的に緩和された。
  • OPECプラス(ロシア等含む)の合計減産規模は時期により大幅に変動している。

🔍 背景・原因

  • 2016年に発足した「OPECプラス」(OPEC+ロシア等非OPEC産油国)の協調体制が市場調整の枠組みに。
  • コロナ禍の需要急減に対応して史上最大規模の減産(2020年4月)を実施、その後段階的に緩和。

💡 意味・示唆

  • 減産合意が国際原油価格調整の主要ツールとして機能——市場への生産量コントロールで価格を下支え。
  • 非加盟国(米国シェール等)の増産が減産効果を相殺するリスクが常に存在する。

📝 出題アイデア

  • 読取2024年12月時点でOPECプラスの減産合意はどのような状況にあるか。
  • 記述OPECプラスが2016年に発足した背景を説明せよ。
  • 記述OPEC+の減産合意が原油価格に与える影響と、その限界を説明せよ。
  • 読取:複数の自主減産が2024年12月時点でも延長されており、OPECプラスの協調減産が継続中の状況。
  • 記述:2014〜2016年の原油価格暴落(シェール革命による供給過剰が主因)を受け、OPECだけの減産では効果が限定的であった。そこでロシアを含む非OPEC産油国をも巻き込んだ協調減産の枠組み「OPECプラス」が2016年に設立された。
  • 記述:減産合意は市場への供給量を絞ることで需給を引き締め、価格の下支えに機能する。ただし①非加盟国(米国シェール等)が増産して供給増を補う、②加盟国が割当てを超えて生産(コンプライアンス問題)、③価格上昇が加盟国自身の減産遵守意欲を低下させるといった限界がある。
図22-1-7

世界の石油消費の推移(地域別)

図22-1-7 世界の石油消費の推移(地域別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 非OECD諸国のシェアが1973年約25%→2023年約55%に拡大、逆転が生じた。
  • OECD諸国は省エネ・EV化等で横ばい〜微減傾向。
  • アジアの消費増が世界全体を牽引した。

🔍 背景・原因

  • 新興国(中国・インド・東南アジア等)の急速な経済成長・工業化・自動車化が消費増をもたらした。
  • OECD諸国は省エネ法・燃費規制・EV普及・脱炭素政策により消費が抑制された。

💡 意味・示唆

  • 「需要の重心のアジアシフト」=貿易フローの東向き化。中東産油の日本・アジア向け比率が高い背景。
  • 日本の安定調達には中東・アジア市場の動向把握と輸送路の安全確保が不可欠。

📝 出題アイデア

  • 読取非OPECのシェアは1973年から2023年でどう変化したか数値で答えよ。
  • 記述アジア諸国の石油消費が増加した理由を経済・社会的背景から述べよ。
  • 小論世界的な脱炭素の流れにもかかわらず石油消費が増加している要因を論ぜよ。
  • 読取:非OECD諸国のシェアが約25%から約55%に拡大し、OECD諸国のシェアを逆転した。
  • 記述:中国・インド・東南アジア諸国の急速な経済成長に伴い、自動車保有台数の増加・工業生産の拡大・石油化学製品需要増加が重なり、エネルギー消費全体が拡大した。
  • 小論:先進国では脱炭素政策が進む一方、新興国では①経済成長による自動車化・工業化が石油需要を押し上げる段階にある、②EV普及・再エネ転換に必要なインフラ・投資余力が不足、③エネルギー価格補助金等の政策が消費抑制インセンティブを弱める——という構造がある。特に人口規模の大きいインドの成長が今後の需要増を左右する。
図22-1-8

世界の石油消費の推移(用途別)

図22-1-8 世界の石油消費の推移(用途別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2022年の輸送用が約63%と最大の用途。自動車・航空・海運が牽引。
  • 石油化学原料用は堅調増加——プラスチック・合成繊維等の需要を反映。
  • 発電用途は省エネ・再エネ代替で縮小傾向。

🔍 背景・原因

  • 自動車・航空・海運など輸送部門の石油依存が根強く継続している。
  • EV普及は輸送用需要の長期的減少要因だが、普及速度・地域格差が大きい。
  • プラスチック・化学製品の世界需要増で石化原料用は拡大傾向。

💡 意味・示唆

  • 輸送部門の脱炭素(EV・水素・SAF)が石油需要ピークの最大の鍵。
  • 石化原料用は代替が困難な「削減困難セクター」——プラスチック代替材料の開発が課題。

📝 出題アイデア

  • 読取2022年の世界の石油消費において最大の用途は何で、何%を占めるか。
  • 記述EV普及が世界の石油需要に与える長期的影響を述べよ。
  • 組合せ用途(輸送・化学原料・発電)と需要の将来見通し(増加傾向・横ばい・減少傾向)を対応させよ。
  • 読取:輸送用、約63%。
  • 記述:EV普及はガソリン・軽油消費を代替するため、特に輸送用(最大用途)の石油需要を長期的に押し下げる。IEA等は一定のEV普及シナリオのもとで石油需要ピークを2020年代〜2030年代と見るが、新興国の需要増や普及速度の不確実性もある。
  • 組合せ:輸送=現状最大・EV等で長期的に減少傾向/化学原料=増加傾向(代替困難)/発電=再エネ代替・省エネで減少傾向。
図22-1-9

世界の主な石油貿易(2023年)

図22-1-9 世界の主な石油貿易(2023年)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 中東輸出量は2,362万バレル/日で世界の石油輸出の約34%。
  • 中東輸出の74%がアジア向け——東アジア・東南アジアが主な仕向け先。
  • 日本は引き続き中東からの輸入への高い依存度を維持。

🔍 背景・原因

  • アジア新興国の需要増大が中東〜アジアの貿易フローを強化。
  • 欧州は北海油田・ロシア産が主力で中東依存が低い。米国はシェール革命で輸入削減。

💡 意味・示唆

  • 中東〜アジアルートの安全保障が日本のエネルギー安保の核心——ホルムズ海峡・マラッカ海峡等のチョークポイントに依存。
  • 輸入先多角化(ロシア制裁後の代替調達等)の重要性が改めて示された。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年の中東の石油輸出量のうち、アジア向けは何%を占めるか。また中東輸出量は何万バレル/日か。
  • 記述日本のエネルギー安全保障上、中東〜アジアの石油貿易ルートが重要な理由を述べよ。
  • 小論中東への石油依存を低減するための方策を、供給・需要・外交の観点から論ぜよ。
  • 読取:74%。中東の石油輸出量は2,362万バレル/日。
  • 記述:日本の石油輸入のほとんどを中東産が占めるため、このルートの安全確保が途絶えると日本の産業・生活・国防に直接的な打撃となる。ルートにはホルムズ海峡・インド洋・マラッカ海峡等の複数チョークポイントがあり、いずれかが封鎖・攪乱されるリスクがある。
  • 小論:供給面=産地多角化(米国・豪州・ロシア代替等)・備蓄強化(IEA義務90日分)/需要面=省エネ推進・EV・再エネ転換で石油依存度そのものを低下させる/外交面=中東産油国との政治的関係安定化・多国間エネルギー安全保障協力(IEA加盟等)。複数の手段を組み合わせた重層的アプローチが必要。
図22-1-10

チョークポイントリスクの推移(推計)

図22-1-10 チョークポイントリスクの推移(推計)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 日本・韓国・中国等の東アジア諸国は複数チョークポイントを通過するためリスクが高い。
  • 主要チョークポイント:ホルムズ海峡(中東出口)・マラッカ海峡・ロンボク海峡(東南アジア)。
  • リスク水準は地政学的緊張(中東・インド洋)の高まりとともに変動している。

🔍 背景・原因

  • 中東産油の地理的位置と東アジア需要地の距離から、長い海上輸送ルートを複数の要衝が横断する。
  • 海賊・武力紛争・地政学的緊張(イラン・イエメン情勢等)がルートリスクを高める。
  • ホルムズ封鎖リスクはイラン情勢に強く連動する。

💡 意味・示唆

  • 日本のエネルギー輸送は複数チョークポイントを経由するため構造的に脆弱——ルート多様化・備蓄強化・省エネが安全保障の三本柱。
  • 海上自衛隊・多国間海洋安全保障協力の重要性にも直結する政策課題。

📝 出題アイデア

  • 読取日本の石油輸入で通過する主なチョークポイントを2つ以上挙げよ。
  • 記述チョークポイントがエネルギー安全保障上の問題となる理由を説明せよ。
  • 小論チョークポイントリスクへの対応として日本が取りうる政策を複数の視点から論ぜよ。
  • 読取:ホルムズ海峡(中東から出口)、マラッカ海峡(東南アジア通過)、ロンボク海峡(マラッカ代替ルート)など。
  • 記述:チョークポイントとは海上交通の要衝で通過できるルートが限られる地点。そこが封鎖・攪乱されると代替ルートが乏しく、石油輸送が途絶するリスクがある。日本は中東産石油を複数のチョークポイントを経由して輸入しており、いずれかで問題が起きれば供給が直撃される。
  • 小論:①供給多角化——中東以外の産地(米国・豪州・西アフリカ等)からの輸入比率を高め、ルートを分散。②備蓄強化——IEA義務(90日分)に加え国内備蓄を積み増し、短期的供給途絶に耐える。③省エネ・需要削減——石油依存度自体を下げることで輸入量を減らしリスクの絶対量を削減。④多国間安全保障協力——チョークポイント周辺の海洋安全確保に向けた国際連携(アデン湾海賊対策・インド太平洋安全保障等)に参加。
図22-1-11

国際原油価格の推移

図22-1-11 国際原油価格の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2022年にロシアのウクライナ侵攻で高騰、その後やや下落。
  • 2024年春以降は下落傾向が続いている。
  • 2020年コロナ禍で一時的に暴落し、その後急速回復という極端な変動を示した。

🔍 背景・原因

  • OPEC+減産・地政学リスク(ウクライナ・中東紛争等)が上昇要因。
  • 世界景気後退懸念・中国の需要回復鈍化・シェール増産が下落要因。
  • シェール革命により米国が増減産で価格変動に迅速対応できるようになり、「上値の重い」構造が定着。

💡 意味・示唆

  • 原油価格は日本の貿易赤字・物価・エネルギー政策コストに直結——円安局面ではさらに増幅。
  • 高油価は再エネ・水素等の代替投資の採算を改善させ、エネルギー転換を加速させる誘因になる。

📝 出題アイデア

  • 読取2024年春以降の国際原油価格の傾向を述べよ。また2022年に価格が高騰した主な要因は何か。
  • 記述ロシアのウクライナ侵攻が国際原油価格に与えた影響とその背景を説明せよ。
  • 記述原油価格の変動が日本経済に与える影響を2つ以上述べよ。
  • 読取:2024年春以降は下落傾向。2022年の高騰の主な要因はロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクの高まり(ロシア産エネルギーの供給途絶懸念と欧米の制裁措置)。
  • 記述:ロシアはOPECプラスの主要産油国でありガス輸出大国でもある。ウクライナ侵攻後に欧米がロシア産石油・ガスへの制裁を発動したことで、供給途絶への懸念が市場の不安を高め、原油先物価格が高騰した。また欧州が代替調達を急いだことで需給が逼迫した。
  • 記述:①輸入コスト増加——日本は石油のほぼ全量を輸入するため、原油高は輸入額を押し上げ貿易赤字を拡大させる。②物価上昇——石油はガソリン・電力・ガス・プラスチック等を通じて幅広い物価に波及し、インフレを引き起こす。③エネルギー政策コスト増——電力・ガスの補助金・激変緩和措置の財政負担が増大する。

まとめ & 出典

石油節の横断大問候補(複数図を組み合わせた論述問題)