エネルギー動向 2025年6月版|第1章 第4節「二次エネルギーの動向」(石油製品) ≡ 総合目次 🔗 公式 ↗

入試問題ネタ帳 / グラフ読解ページ

国内エネルギー動向 | 第1章 第4節

二次エネルギーの動向 ― 石油製品

各図 =「問題の素材(グラフ)」+「読み取りポイント」+「背景・意味(解答材料)」+「出題アイデア+解答例」。

図はクリックで拡大/解答例はクリックで開閉/目次から各図へジャンプ。

出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」第1章第4節(クリックで公式ページ)を基に作成

この節で何が言えるか(3行サマリー)

図を読む前に「森」を押さえる / 4枚の図はこの3点を多角的に支える

図14-4-1

燃料油販売量の推移(油種別)

図14-4-1 燃料油販売量の推移(油種別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
🔍 クリックで拡大

📈 特徴(読み取り)

  • 2023年度シェア:ガソリン30.8%、ナフサ25.0%、軽油21.6%。
  • B・C重油は1971年度に50%以上→2023年度は4.6%まで大幅縮小。
  • 「白油化」(ガソリン・灯油・軽油等の軽質油比率上昇)が進んできた。

🔍 背景・原因

  • 重油は主に発電・産業用熱源として使われていたが、LNG・石炭への代替と省エネが進み急減。
  • ガソリン・軽油は自動車用燃料として需要が継続(EVシフト前)。
  • ナフサは石油化学原料として堅調。

💡 意味・示唆

  • 白油化は製油所の高度化を促進した。今後はEVシフトによりガソリン需要の長期減少が予想される。
  • 石油需要の減少に伴い製油所の再編・集約が課題。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年度の燃料油販売量の上位3油種とそのシェアを答えよ。
  • 記述B・C重油のシェアが1971年度から2023年度にかけて大幅に縮小した理由を述べよ。
  • 小論「白油化」の意味と、今後のガソリン需要の見通しを論ぜよ。
  • 読取:ガソリン30.8%、ナフサ25.0%、軽油21.6%の順。
  • 記述:発電・産業用熱源として使われていた重油が、環境規制強化・省エネ進展・LNGや石炭への燃料転換・電化等によって需要が急減したため。1971年度50%超→2023年度4.6%という激変は脱石油・燃料多様化の結果。
  • 小論:白油化とは、燃料油の構成が重油(黒油)から軽質な石油製品(ガソリン・灯油・軽油=白油)に移行する現象。重油離れが進み製品構成が変化した。一方で今後はEV(電気自動車)の普及拡大に伴いガソリン需要が長期的に減少する見通しで、ガソリンも「白油化後の主役」から退く可能性がある。製油所の過剰設備問題と合わせた対応が課題となる。
図14-4-2

原油輸入CIF価格と石油製品の小売価格の推移

図14-4-2 原油輸入CIF価格と石油製品の小売価格の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
🔍 クリックで拡大

📈 特徴(読み取り)

  • 石油製品小売価格は原油輸入価格に連動して変動。
  • 2022年以降、燃料油価格激変緩和対策事業(補助金)による価格抑制効果が確認できる。

🔍 背景・原因

  • 日本は石油をほぼ全量輸入しており、国際原油価格が小売価格に直結。
  • ロシアのウクライナ侵攻(2022年)で原油価格が急騰し政府が補助措置を導入。

💡 意味・示唆

  • 価格補助は家計・企業の負担を短期的に緩和するが、財政負担と市場シグナルの歪みが課題。
  • 抜本的解決は省エネ・電化・再エネ普及による石油依存度の低減。

📝 出題アイデア

  • 読取石油製品価格が原油輸入価格に連動する理由を答えよ。
  • 記述燃料油価格激変緩和対策事業の効果と課題を述べよ。
  • 読取:日本は原油をほぼ全量輸入しており、その調達コスト(原油輸入CIF価格)が製油コストの大半を占めるため、国際原油価格の変動が精製・流通コストを通じて小売価格に直接反映されるから。
  • 記述:効果:補助金によりガソリン・灯油・軽油等の小売価格上昇を抑え、消費者・中小企業の負担増を緩和した。課題:補助金支出が財政負担を増大させるとともに、高価格シグナルを歪め省エネ・燃料転換のインセンティブを弱める可能性がある。持続可能な対策は石油依存度の抜本的な低減が必要。
図14-4-3

燃料油輸出量の推移(油種別)

図14-4-3 燃料油輸出量の推移(油種別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
🔍 クリックで拡大

📈 特徴(読み取り)

  • 2023年度輸出量26,286千kl(前年度比10%減)。
  • 国内の石油生産量は2000年度の約2.3億klから2023年度に約1.4億klに減少。

🔍 背景・原因

  • 国内需要の減少により製油所の処理量が縮小。輸出で過剰分を解消。
  • 省エネ・電化・人口減少による国内消費の長期的な低下。

💡 意味・示唆

  • 国内需要縮小→輸出活用で製油所の稼働率維持を図る構造。
  • 将来的な需要減少が続けば製油所の再編・閉鎖が不可避。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年度の燃料油輸出量と前年比を答えよ。
  • 記述国内の石油製品需要が縮小する中で輸出が増加している背景を述べよ。
  • 読取:2023年度の燃料油輸出量は26,286千kl、前年度比10%減。
  • 記述:省エネ進展・人口減少・電化・EV普及等により国内石油製品需要が長期的に縮小している。一方で製油所は既存設備の稼働率を維持する必要があり、余剰となった石油製品をアジア諸国等に輸出することで稼働率を確保している。ただし輸出量も変動し、中長期的には製油所の再編・集約が必要になる。
図14-4-4

燃料油の輸出先(2023年度)

図14-4-4 燃料油の輸出先(2023年度)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
🔍 クリックで拡大

📈 特徴(読み取り)

  • 航空機・船舶向けのボンド(免税)が44.8%と最大。
  • ボンド除外分では韓国・豪州・シンガポール等アジア・オセアニア向けが上位。

🔍 背景・原因

  • 日本はアジアの石油精製ハブの一角を担い、近隣諸国に石油製品を供給。
  • 航空・船舶向けは国際的な燃料需要で安定した輸出先。

💡 意味・示唆

  • 輸出先の地理的集中(アジア)は地域経済・外交との連動を示す。
  • 航空・船舶の脱炭素(SAF・アンモニア燃料等)が進むと輸出構造も変化。

📝 出題アイデア

  • 読取2023年度の燃料油輸出においてボンドが占める割合と主要輸出先地域を答えよ。
  • 記述日本がアジア・オセアニア向けに石油製品を輸出している背景を述べよ。
  • 読取:航空機・船舶向けボンドが44.8%と最大。ボンド除外分では韓国・豪州・シンガポール等アジア・オセアニア向けが上位。
  • 記述:日本は大規模な精製能力を持ち、国内需要縮小で余剰となった石油製品をアジア近隣諸国(韓国・シンガポール・豪州等)に輸出している。地理的に近く輸送コストが低いアジア向けが中心となっている。また国際的な航空・海運に使われるボンド燃料は国籍を問わない安定需要となっている。

まとめ & 出題アイデア(石油製品横断)

節横断でこんな大問も作れる