エネルギー動向 2025年6月版|第1章 第4節「二次エネルギーの動向」(ガス) ≡ 総合目次 🔗 公式 ↗

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国内エネルギー動向 | 第1章 第4節

二次エネルギーの動向 ― ガス

各図 =「問題の素材(グラフ)」+「読み取りポイント」+「背景・意味(解答材料)」+「出題アイデア+解答例」。

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出典:資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」第1章第4節(クリックで公式ページ)を基に作成

この節で何が言えるか(3行サマリー)

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図14-2-1

ガス事業の主な形態

図14-2-1 ガス事業の主な形態
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • ガス事業は都市ガス事業(一般・導管・大口)・簡易ガス・LPガス販売の5類型。
  • 形態によって規制・供給形態・需要家規模が異なる。

🔍 背景・原因

  • 都市ガスはパイプライン導管網が必要で固定費が大きいインフラ産業。
  • パイプラインが整備されていない地域はLPガス(ボンベ)で対応。

💡 意味・示唆

  • 地域によって使えるガスの種類・価格・事業者が異なる「二元構造」が存在。
  • 2017年以降の小売自由化でこの構造に競争が加わった。

📝 出題アイデア

  • 組合せ都市ガス事業・簡易ガス事業・LPガス販売事業の特徴(供給形態・主な対象)を対応させよ。
  • 記述都市ガスが普及していない地域でLPガスが使われる理由を述べよ。
  • 組合せ:都市ガス=パイプライン導管で供給・主に都市部の家庭・業務・工業用/簡易ガス=集合住宅等の一定区域にLP等を集中設置して供給/LPガス=ボンベ配送、パイプライン未整備地域の家庭・業務用。
  • 記述:都市ガスのパイプライン網は整備コストが高く、主に都市部・人口密集地に限られるため、パイプラインが届かない地方・郊外ではボンベで配送できるLPガスが使われる。
図14-2-2

都市ガス販売量の推移(用途別)

図14-2-2 都市ガス販売量の推移(用途別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2000年代後半にかけて右肩上がりに増加。工業用が急速な増加を主導した。
  • 2000年代後半以降は伸びが鈍化し近年は横ばい傾向。

🔍 背景・原因

  • 工業用は脱石油・LNG化により急増。電力会社のガス火力転換も需要を押し上げた。
  • 近年の伸び鈍化は省エネ進展・製造業の縮小・電化や再エネへの代替。

💡 意味・示唆

  • 都市ガス需要の天井感=脱炭素政策による電化・水素転換が進めば長期減少も。

📝 出題アイデア

  • 読取都市ガス販売量の増加を主導した用途と、近年の傾向を答えよ。
  • 記述工業用都市ガス需要が増加した背景を述べよ。
  • 読取:工業用が増加を主導。近年は横ばい傾向で伸びが鈍化している。
  • 記述:石油価格高騰を受けた「脱石油」の流れの中で、燃焼効率の高い天然ガス(都市ガス)へ工場・発電所の燃料転換が進んだため。また電力会社のガス火力発電の拡充も需要を押し上げた。
図14-2-3

都市ガス生産・購入量の推移(原料別)

図14-2-3 都市ガス生産・購入量の推移(原料別)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 石炭系→石油系→天然ガスへ段階的に移行。
  • 現在では天然ガス(LNG)が9割以上を占める。

🔍 背景・原因

  • 天然ガスは燃焼時のCO₂・硫黄酸化物が少なく、クリーンな燃料として普及。
  • LNG輸入体制の整備(タンカー・ガス化設備)が整い、安定供給が可能に。

💡 意味・示唆

  • 都市ガスの天然ガス一本化は「ガスの脱炭素化」の起点にもなりうる(水素・合成メタン混焼)。

📝 出題アイデア

  • 読取現在の都市ガス原料に占める天然ガスの割合を答えよ。
  • 記述都市ガス原料が石炭系・石油系から天然ガスへ移行した理由を2つ述べよ。
  • 読取:現在(近年)は9割以上を天然ガス(LNG)が占める。
  • 記述:①天然ガスは燃焼時にCO₂・SOₓの排出量が石炭・石油系より少なくクリーンなこと、②LNG輸入インフラ(タンカー・受入基地・ガス化設備)の整備が進み安定供給が可能になったこと。
図14-2-4

都市ガス価格及びLNG輸入価格の推移

図14-2-4 都市ガス価格及びLNG輸入価格の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2022年度はLNG輸入価格が史上最高値を更新し、都市ガス価格も急上昇。
  • 2023年度は2022年度より低い水準に低下。

🔍 背景・原因

  • 2022年のウクライナ危機による欧州向けガス不足・LNG需要急増が国際価格を急騰させた。
  • 2023年以降は供給不安の緩和と政府のガス料金激変緩和措置が寄与。

💡 意味・示唆

  • LNG輸入国の日本は地政学リスクの影響を直に受ける。
  • 長期契約や調達先多様化、国内備蓄強化による価格リスクヘッジが重要。

📝 出題アイデア

  • 読取都市ガス価格が最も急騰した時期と、その後の変化を述べよ。
  • 記述LNG輸入価格の急騰が日本のガス料金に与えた影響とその構造的な理由を述べよ。
  • 読取:2022年度にLNG輸入価格が史上最高値となり都市ガス価格も急上昇。2023年度は燃料価格の低下と激変緩和措置により前年度より低い水準に落ち着いた。
  • 記述:都市ガスの原料の9割以上がLNGであり、その全量を輸入に依存しているため、国際LNG価格の高騰が原料コスト上昇を通じて都市ガス小売価格に直接反映される構造(燃料費調整制度)があるため。
図14-2-5

主要国・地域の需要家1件当たり都市ガス消費量(2021年)

図14-2-5 主要国・地域の需要家1件当たり都市ガス消費量(2021年)
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 日本の需要家1件当たりの都市ガス消費量は他の主要国・地域より小規模。
  • ガス料金は相対的に高い傾向がある。

🔍 背景・原因

  • 日本はガスの自給率が低く全量輸入(LNG)に依存→輸送コスト大。
  • 需要家1件当たりの消費量が小さく規模の経済が働きにくい。
  • 輸送が複雑(LNGタンカー→受入基地→パイプライン)でインフラコストが高い。

💡 意味・示唆

  • 日本のガス料金高の根本は「輸入依存+規模の非経済+高い輸送コスト」の三重構造。
  • 国産資源(メタネーション・洋上風力由来水素)の活用が価格安定のカギ。

📝 出題アイデア

  • 記述日本の都市ガス料金が主要国と比べて高い理由を3点挙げよ。
  • 小論日本がガスコストを引き下げるために取り得る政策的手段を論ぜよ。
  • 記述:①天然ガスの自給率が低くLNG輸入に全面依存しており国際価格の影響を直接受ける、②LNGを液化→船舶輸送→再ガス化するという複雑な輸送プロセスでコストが高い、③1件当たりの消費量が小さく規模の経済が働きにくいため単位コストが高くなる。
  • 小論:①長期契約・調達先多様化でLNG輸入コストを安定・低減、②需要家規模拡大(産業用・発電用の集約)で規模の経済を活用、③国内でのメタネーション・水素・合成メタンの開発で輸入依存を逓減、④ガス自由化・スイッチング促進による競争圧力。
図14-2-6

新規小売の都市ガス販売量と都市ガス販売量に占める割合の推移

図14-2-6 新規小売の都市ガス販売量と都市ガス販売量に占める割合の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2024年12月末時点で新規小売のシェアは20.7%。
  • 2017年度の小売全面自由化開始以来、シェアが拡大。

🔍 背景・原因

  • 2017年4月の都市ガス小売全面自由化で参入障壁が低下。
  • 電力・ガスのセット販売等の差別化で新規参入者がシェアを獲得。

💡 意味・示唆

  • 電力自由化(2016年)と合わせ、エネルギー小売の競争環境が整備された。
  • 消費者は電力・ガスを一体的に選択できる時代に。

📝 出題アイデア

  • 読取2024年12月末時点の新規小売の都市ガスシェアを答え、自由化開始年と合わせて述べよ。
  • 比較電力小売自由化(2016年4月)と都市ガス小売自由化(2017年4月)を比較し、共通点と相違点を述べよ。
  • 読取:2024年12月末時点で20.7%。都市ガス小売は2017年4月に全面自由化が開始された。
  • 比較:共通点=規制小売から自由化へ移行し新規参入者のシェアが拡大、消費者の選択肢が広がった。相違点=電力は2016年4月(1年先行)、ガスは2017年4月に自由化。また電力はネットワーク(送配電)の法的分離が義務化されているのに対し、ガスも導管部門の機能分離が進められている点が異なる。
図14-2-7

都市ガス契約のスイッチング申込件数の推移

図14-2-7 都市ガス契約のスイッチング申込件数の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • スイッチング申込件数は2017年4月末の約15万件→2024年12月末に約618万件へ急増。
  • 約7年で40倍超に増加。

🔍 背景・原因

  • 2017年の小売自由化で選択肢が生まれ、電力とのセット販売等が普及。
  • 2022年の価格急騰が消費者の料金比較・スイッチング意識を高めた。

💡 意味・示唆

  • 電力同様、都市ガスでも消費者の選択行動が定着しつつある。
  • スイッチングの拡大は競争促進と料金低下圧力をもたらす。

📝 出題アイデア

  • 読取都市ガスのスイッチング申込件数の2017年と2024年の数値を比較し変化を答えよ。
  • 記述ガス料金の急騰(2022年度)がスイッチング行動に与えた影響を述べよ。
  • 読取:2017年4月末約15万件→2024年12月末約618万件。約40倍超に増加した。
  • 記述:2022年度のLNG価格急騰によるガス料金の大幅上昇で、消費者が料金比較・見直しを意識するようになり、より安価なプランや新規小売事業者への乗り換えを検討・実行するケースが増えた。
図14-2-8

旧簡易ガス事業の全国平均価格の推移

図14-2-8 旧簡易ガス事業の全国平均価格の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • 2022年3月末時点で1,244事業者が存在。
  • 販売量の9割以上を家庭用が占める。

🔍 背景・原因

  • 簡易ガスは主に集合住宅(団地等)に供給する小規模事業者が中心。
  • 都市ガス網が届かない地域や集合住宅での需要を担う。

💡 意味・示唆

  • 多数の小規模事業者が存在し効率化・集約化が課題。
  • 都市ガス自由化の進展とともに競合・再編が起きる可能性。

📝 出題アイデア

  • 読取簡易ガス事業の主な需要家層と販売量に占める家庭用の割合を答えよ。
  • 記述簡易ガスが担う役割と、課題を述べよ。
  • 読取:主な需要家は家庭用(集合住宅等)。販売量の9割以上を家庭用が占める。
  • 記述:役割:都市ガスパイプラインが届かない地域・集合住宅にガスを供給し生活インフラを担う。課題:多数の小規模事業者が乱立し規模の経済が働きにくいため効率化・コスト削減が難しい。都市ガス自由化の波を受けた再編・統合も課題。
図14-2-9

LPガスの家庭用小売価格及び輸入CIF価格の推移

図14-2-9 LPガスの家庭用小売価格及び輸入CIF価格の推移
資源エネルギー庁「エネルギー動向(2025年6月版)」
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📈 特徴(読み取り)

  • LPガス小売価格は輸入CIF価格の変動に連動するが、輸入価格が下がっても小売価格は相対的に高止まりする傾向。
  • 小売段階の配送費・人件費・保安費等が全体の6割超を占める。

🔍 背景・原因

  • LPガスはボンベ配送が必要で物流コストが固定費として大きい。
  • 小規模事業者が多く、規模の経済が働かない。

💡 意味・示唆

  • 価格低減には小売段階の合理化・効率化(配送効率化・デジタル化)が鍵。
  • LPガスは地方・非都市部の重要インフラ=公益性と競争の両立が課題。

📝 出題アイデア

  • 読取LPガス小売価格に占める小売段階コスト(配送・人件費・保安費等)の割合を答えよ。
  • 記述LPガス価格を引き下げるために必要な施策を述べよ。
  • 読取:小売段階での配送費・人件費・保安費等が全体の6割超を占める。
  • 記述:輸入価格は市場に左右されるため、コスト削減の余地は小売段階にある。具体的には配送の効率化(IoT・スマートメーター導入によるルート最適化)、事業者の合理化・集約化による規模の経済の活用、競争促進による価格低下圧力が重要。

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